魔法、魔術について合理的に考えてみるブログ

「魔法使いになりたい」、という欲望について真剣に考えてみました。

「概念分析学」の創始に向けて

「概念とは何か?」という問いはそれ自体が難しく、謎が多いものです。何が概念足りえるのか? という問いを発するとすれば、それに応えるものも矢張り概念的にならざるをえないですし、そうすると概念が「循環」してしまいます。

 

こうした概念の循環性は概念の構成する系列の随所に見られます。例えば、AならばBである時に、BならばAであると同時に言えた場合、これは循環していると言えるでしょうか? あるいは単純にトートロジーを循環と判断することはできるでしょうか? それともいわゆる「循環論法」とこの「循環」の概念は区別可能でしょうか? もしも区別が不可能であっても、便宜的に「判別」することはできるでしょうか? というように様々な問いを考えることができます。これらの問いの連鎖は、やはり現象の全てに通じてそうであるように、概念の連鎖、系列として僕の目の前に展開されています。このように少し考えるだけでも、「概念」というものが如何に日常生活に密接に関わっており、また重要なものであるかが分かります。

 

では、この僕が提唱している「概念分析学」の目的とは何でしょうか? この単語は概ねで三つの概念によって構成されています。一つは「概念」、二つ目は「分析」、そして「学」の概念です。しかし、「分析の概念」や「学問の概念」について想像することはある程度までは容易ですが、「概念の概念」とは何か? そのように問うとすれば、その系列は今のところ逼迫しているように思われます。概念的に「循環」しているからです。したがってこうした行き詰った状況を打破するためには、何らかの概念的な「爆薬」を要するように思われます。爆発はその勢いによって障害物を吹き飛ばすという機能を持っています。これにより、概念の閉塞を打破することができる場合もあります。しかし、概念的爆破の強度にも種々多様な段階があり、複雑です。そこにもそうした認知的な複雑性に由来して、様々な概念の系列が根付きます。ガラパゴス諸島か! と突っ込みたくなるほどに、多様な概念の生態系が根付きます。あるいは「根付く」というような概念を問うことも意義が深いでしょう。根付くというと何らかの基礎を根柢に据える姿勢を意味していますが、では、その基礎の概念に依存しない方策はないのだろうか? そのように問うことも可能でしょう。

 

以上のように「問い」というのは非常に大きな意義を持っていることが分かります。それ自体が偉大な概念の一つであり、問答の形式それ自体にも、こうした概念の充実がふんだんに見られます。こうした充実した環境からは比較的節約された連想距離で以って、「豊饒」の概念が立ち現れることが多いように思います。連想距離が短いということは、それだけ端的にこれらの概念は接合している可能性があります。ノードの概念を想像すれば、そうしたリゾームを想像することがある程度は簡単になるかもしれません。ある概念の系列は別の概念の系列に接合することによって、別の仕方での要約性を表現でき、結果として、新たな概念の系列を創造するからです。それがより簡単な秩序を構築できる時、それは「要約」と呼ばれ、シンプルなコンセプトを創出します。上手くいけば、その洗練の強度は増加します。しかし、最初は雑多な様々な印象から、系列を構成し、丹念にその経路をたどりつつ、概念へと至る必要があります。概念が阻害されている状態では、例の概念的な意味での「爆薬」が突破口になる場合もあります。

 

概念は実効的に思考に関わり、また人々の認識をパラダイムシフトさせるだけの力能を持っています。これは驚異的なことです。

 

概念の概念に重きを置いた「分析」の営みは僕にとっても非常に興味深く、ある種の輝きを放っています。これには豊かな概念の充実が見られ、その意味で概念分析学を創始し、研究することには大きな意義が宿るようにも思います。

 

さて、ここで概念分析を生業とする人のことを「概念分析家」と提議しておきます。概念分析家は、現行の概念の系列からして、最低限、次の倫理的な要項に合致している必要があります。それについて以下に簡単に記しておきます。

 

概念分析家の成立要件

 

1.概念分析家はその具体的行為に際して「愛」と「正義」を最大限に優先する。

2.概念分析家はその抽象的思考に際して「法」と「秩序」を最大限に優先する。

3.概念分析家は正統な信仰を持ち、また無神論者をも愛するように努める。

4.概念分析家は豊かな概念を積極的に創出することで人々の生活を守る。

5.概念分析家は如何なる搾取にも組せず、これに総力で以って抵抗する。

6.概念分析家は群れることなく、独立の立場を貫き、自律性を保ち続ける。

7.概念分析家は個人主義者であり、思考が他者に搾取されないように警戒する。

8.概念分析家は万物の紡ぎ出す万物に関する概念をすべて根源的に尊重する。

9.概念分析家は自由主義者であり、奴隷的な境遇を積極的に改善し、解放する。

10.概念分析家は共産主義者であり、博愛と豊かな概念の積極的な共有により平和を希求する。

 

以上が、概ね、「概念分析家」になるための最低条件になるように思われます。これらの概念をより洗練させて、より優れた教義を産出できるように今後も思考を粘り強く続けていきたいと思います。