魔法、魔術について合理的に考えてみるブログ

「魔法使いになりたい」、という欲望について真剣に考えてみました。

魔術の段級位制について

試しに、魔術の「段級位制」について具体的に設定してみたいと思います。何かの参考になれば幸いです。

 

 

魔術五級:魔術修練の初歩的階層にある者

 

魔術四級:秩序ある指導を受けており、魔術の扱い方に進歩があると認められる者

 

魔術三級:魔術の基本動作及び魔術の扱い方がやや整い、秩序ある指導の下に修練を経たと認められる者

 

魔術二級:修練の程度三級に比して著しく進歩の認められる者

 

魔術一級:魔術の型・作法概ね正しいものと認められる者

 

魔術初段:魔術の型・作法型に適って、目的の乱れぬ程度に達した者

 

魔術弐段:魔術の型・作法共に整い、魔術の運用に気力充実し、目的の乱れぬ者

 

魔術参段:魔術の型定まり、作法落ち着き、気息整って、魔術の運用法に従い、行い直く、目的達成やや確実な者

 

魔術四段:魔術の型定まり、作法落ち着き、気息正しく、魔術の運用法に適い、動き鋭く、目的達成確実の域に達した者

 

魔術五段:魔術の型・魔術・作法共に法に適って品位現れ、精励の功特に認められる者

 

魔術六段:魔術の型・魔術、作法共に優秀にして品位高く、精励の功顕著な者

 

魔術七段:魔術の型・魔術・作法自から備わり、品位高く、練達の域に達した者

 

魔術八段:技能円熟、品位高雅、魔術としての芸術の妙を体得した者

 

魔術九段:魔術の真体に透徹した者

 

魔術十段:明確な定義はなく、推薦と話し合いによって与えられる称号

 

 

以下、それぞれの段級位を認定する際に、受験者が達成すべき課題の目安としての例題を一題ずつ挙げてみます。

 

 

魔術五級の例題:正統な医学書に百冊以上目を通し、自分なりの健康を構築せよ。合格基準として、受験者の障害の程度や種類にかかわらず、強力に健康であればいいものとする。

 

魔術四級の例題:正統な哲学書に百冊以上目を通し、自分なりの思考を構築せよ。合格基準として、デリダ的な脱構築に習熟しており、あらゆるものについて肯定的に関心を持つことができればいいものとする。

 

魔術三級の例題:正統な数学書に百冊以上目を通し、自分なりの計量を構築せよ。合格基準として、一般相対性理論および量子論的な計量についてのユニークな見解を述べることができ、特に統計学について知悉していればいいものとする。

 

魔術二級の例題:正統な語学書に百冊以上目を通し、自分なりの言語を構築せよ。合格基準として、四か国語以上の言語を辞書を使いながら読むことが現実的に可能であればいいものとする。

 

魔術一級の例題:正統な宗教書に百冊以上目を通し、自分なりの体系を構築せよ。合格基準として、自分の信じる宗教の聖典によく親しんでおり、自分に対する致命的な悪への誘惑を適切な論法によって祓うことができ、清心を保てればいいものとする。

 

魔術初段の例題:身とは何か? 説明せよ。合格基準として、多種多様な身体の扱いに熟達しており、少なくとも四種以上のスポーツか武術に関して一通りプレイできるか行使できる能力を養成していればいいものとする。

 

魔術弐段の例題:心とは何か? 説明せよ。合格基準として、多種多様な心の扱いに熟達しており、フロイトユングアドラーのいずれかの著作に一通り通じ、精神分析に関する正確な知識を保有できていればいいものとする。

 

魔術参段の例題:空間とは何か? 説明せよ。合格基準として、ニュートンおよびホッブズ幾何学に通じ、ライプニッツモナドおよびフレーゲの概念記法にも通じており、アインシュタインによる一般相対性理論ディラック反物質の概念からユニークな見解を導出できればいいものとする。

 

魔術四段の例題:時間とは何か? 説明せよ。合格基準として、アインシュタインベルグソンのそれぞれの知見についての整理ができており、ヘーゲル的な弁証法によってそれらの時間論をユニークに調停できるか、デリダ的に脱構築できればいいものとする。

 

魔術五段の例題:感性とは何か? 説明せよ。合格基準として、カントの知見を踏まえた上で、何らかの局所的な理論がアンチノミーに至るまでの帰結を一通り例示しながら説明することができ、結果として論理に過剰に囚われることなく、自由に直観できていればいいものとする(ただし、論理を一律にすべて放擲してしまう場合には、禅病を警戒し、段位の認定の前にまずそれを癒すことに注力すること)。

 

魔術六段の例題:理性とは何か? 説明せよ。合格基準として、仏教の知見を踏まえた上で、理性の刃により如何なる我執も自在に断ち切ることができ、既に解脱してはいるが、身体の穢れに対して泥の中の蓮の花のように安住することもでき、つまりあえて解脱せず衆生を人知れず教化し、善導できていればいいものとする。

 

魔術七段の例題:理論とは何か? 説明せよ。合格基準として、ドゥルーズガタリの知見を踏まえた上で、分裂分析的地図作成法に通じ、またその必要性と実施に当たって要求される倫理について社会通念上で適切に示すことができ、その範囲外にまで及ぶ心の広大さと深淵についてよく体得できており、そのリスクについて理解し、現実的に統御できていればいいものとする。

 

魔術八段の例題:実践とは何か? 説明せよ。合格基準として、神道キリスト教、仏教、イスラム教のいずれかについて卓越した見識を有していると認められ、また、アリストテレス的な弁論術や詩学に基づいて実践的に説教することができ、その諦観が自在のものでありながら、さらに単なる無神論ニヒリズムに落ち込むことなく、正統な信仰を保ちえていればいいものとする。

 

魔術九段の例題:神とは何か? 説明せよ。合格基準として、西洋及び東洋の正統な占術および天文学、暦道、陰陽道、薬学、医術、養生、祭祀、儀礼に深く通じ、ユニークにそれらを活用できることが認められ、また、「秘すれば花」の深奥を体得していればいいものとする。

 

魔術十段の例題:以上のような魔術を独力ですべて凌駕できる者については、この段位が相当する。

 

 

以上、試しに魔術の段級位制を作ってみました。気が向けば、何かの参考にしてみてください。

 

ではでは~。