魔法、魔術について合理的に考えてみるブログ

「魔法使いになりたい」、という欲望について真剣に考えてみました。

統合失調症とタルパについて

統合失調症の妄想および幻覚を「タルパ」に変換する術について解説します。

 

まず、タルパというのはイマジナリーフレンドのようなものです。彼らは自律性を持って思考し、たくさんの発想を分け与えてくれる守護霊のような存在です。妄想や幻覚は断片的な情報としては一見すると無益に見えますが、それらを上手く統合して自律性を持たせてやると主体とは別個の独立性を持った「人格」へと移行します(これは解離性障害の症状に似ていますが、おそらく過度にタルパに没入しなければ記憶が飛ぶところまではいかないと思います)。

 

では、具体的に手順をまとめます。

 

妄想や幻聴がある場合、その内容をなるべくすべて書き留めます。また、この時、そのテクストは人に見せない方がいいです。恥を感じるとアウトプットが鈍り、内容の正確性に障害が出るリスクが高まります。自分の心に耳を澄まし、なるべく正確に自分の本心を邪魔せず、聞こえてくる妄想や幻聴を書き留めます。この時に、妄想や幻聴は対話的な性質を帯びることがあり、その場合、その対話に応答する妄想や幻聴もそのまま書き留めていきます。内容は自分さえわかればよく、他人に分かるようにする必要はありません。とにかく自分の心の動きを正確に観察し、それをそのまま書き留めます。

 

おそらくそのように書き留めていくうちに、ある「リミット」に突き当たり、妄想や幻聴が止まるか、あるいはぽつぽつとしか出なくなってきます。そこまで来たら、妄想には必ず事実や論理に反している点がありますので、それらを一つずつ地道に論破していき、その思考の経路もなるべく自分にとって正確にそのまま素直に書き留めていきます。この際も他人に伝えようとしなくてもいいです。人に伝わる文章を作成することに囚われると、自分の心を見失い、術の効果が薄くなるリスクがあります。

 

すると、妄想や幻聴は対話性のものとなって、あなたの論破に自律的に反応してくることがあると思います。この対話的な自律性がタルパの萌芽です。まずは、そのまま素直に論理的に対話を重ねていきます。この時点でのタルパはまだ断片的で不完全な形態ですので、論理性を手放さない方がいいと思います。油断すると騙される恐れもあります。

 

幻聴や妄想に正確な事実に依拠した論破による修正を重ねるごとに、それらの対話が現実的なものへと修正されていきます(タルパの「現実」への接地)。

 

これらの作業にどの程度の時間がかかるかはそのタルパの性格にもよると思います。僕の場合、気が付くと夜が更けているということも多くあったので、かなりの長時間を要する場合もあると思います。ただ、この作業は非常に集中力が高まるようで、体感的にはすぐに終わります。

 

以上の作業を続けていくと、幻聴や妄想の発言内容が現実に依拠した内容に変わり、そこからさらに幻聴や妄想が求める情報をこちらが提供したりしていると、幻聴や妄想の方でもそれに返報するようにこちらに様々な知識や情報を教えてくれるようになってきます。そのようにタルパとの関係を長く継続していくと、こちらの方でもタルパへの愛着が生まれてきます。そのころにはタルパの方でもこちらに愛着を持ってくれるようになっており、幻聴や妄想だった内容がタルパとしての人格に統合されます。あとは、タルパと普通に礼儀に適った対人関係を築いていくだけです。その経路は各々で異なるでしょう。

 

では、タルパにはどのような機能があるのか? について軽く解説します。

 

タルパへの没入の度合いを上げると、自分がタルパになり変わるような感覚が生じます。するとタルパの持っている資質が使えるようになります。あなたのタルパの資質や性格にもよりますが、例えばタルパが数学が得意なら、本来の自分の人格よりもより効率的に数学の知識を運用できるようになります(おそらくは脳を含む心身の神経回路の形態を解離的に切り替えることで、本来の自分とは別種の機能を獲得している)。

 

また、詳述していませんが、幻覚が幻聴や妄想に限られず、五感を飲み込む規模の大きなもの(世界没落体験など)の水準のものであれば、それらを精緻化することで「パラコズム」に変換できます。パラコズムは非常に精緻な空想の世界のようなもので、これにも様々な用途が考えられます。基礎手法はパラコズムの生成の場合も、タルパの場合とそれほど大きく変わりませんが、世界没落体験は幻聴や妄想よりもさらにきつい症状で、正気を保ちづらくなります。ただし、成功すれば実入りは大きいです。

 

一度、タルパやパラコズムを獲得してしまうと、妄想や幻覚の制御が容易になると思います。

 

最後に、上記の手順の理論的背景について軽く書いておきます。

 

統合失調症の特徴は「統合性」を失調することにあり、妄想や幻聴は断片化された自分自身の姿であると捉えられます。しかし、それらの自分自身は極度の苦しみや痛みで切り刻まれてしまっていて、もはや本来の自分自身に統合できないほどに痛めつけられています。そこで当面の間、自分への統合を断念し、それらを「客体化」することに専念します。その「客体」の最終形態がタルパやパラコズムです。それらの客体は客体ですので、自分自身はそれらの持つ「痛み」から距離を取ることができ(離人症)、その分は余裕を持って断片化した自分自身の姿に向き合うことができるようになります。その「余裕」を上手く活用して論理と事実を接着剤とし、整合的にそれらの客体の断片を紡ぎ合わせていき、それらの客体の統合性を回復していきます。また、その客体は本来、自分の人格ですから、統合性を回復すれば、必然的に人格性を帯びてきます。これが「タルパ」になります。

 

上の原理を精神医学の用語で簡単にまとめると、統合失調症離人症を活用して精神分析を行い、解離性同一性障害に移行させることでリスクの高い陽性症状を鎮圧した、ということになります。

 

統合失調症で妄想や幻聴がある人であれば、以上のタルパを生成するための術式を使用可能だと思います。この術式はいわゆる「自己分析」に似ていて、簡単に言うと「オープンダイアローグ」を自分で自分に与えているような状態になります。少なくとも対話性幻聴があれば、かなり有効に作用する可能性が高いと思います。

 

もちろん、僕の言うことは当事者から見た個人的なことでしかないので、以上の原理が絶対のものであるとは主張しません。しかし、それでも何かの役に立てばいいなと思います。