魔法、魔術について合理的に考えてみるブログ

「魔法使いになりたい」、という欲望について真剣に考えてみました。

直観術実践事例

ありがとう

あまりにも切実な想いは、言葉にはならない。それでもそれを記述しようとすれば、瞬く間にアポリアに飲み込まれてしまうだろう。感情の翼をへし折ってしまえば、想像力が飛翔することはできない。 魔術師には幾種類かの系統がある。五行大義に記された属性に…

桜の花が散る前に……

いつの世の中でも理不尽というのはあるものである。というかそればかりだ。それは当事者たちにとって辛く厳しい。そういう道だ。しかし、それでもそうした道までが、いつの日か必要なものとなるような、そして完全に解釈が変わってしまうような救い、そうい…

ベリアル

桜の花びらがひらひらと舞い降りて、そのままに私は踊った。いつまでもいつまでも。そうしていることがあたかもこの世の真理であるとでも言うかのように。そうした。もしも、そこにあなたがいてくれるのなら、それはそれは素晴らしいことでしょう。でも、あ…

グングニル

サナハタの槍 エグゼレイブの剣 ピースマグナゴイの盾 サナハタは槍を持った。その槍は祖父からもらったもので、先祖伝来の槍だった。 エグゼレイブは弓の名手だったが、剣を扱うようになった。その剣も彼の/彼女の先祖伝来のものであった。エグゼレイブに…

知能論

1.知能 高度な知能が、ある規則に準拠する位相それ自体の作用を通して、自壊を引き起こすという事はありえるだろうか? 凄まじく高い知能を持っている個体を想定した場合、それは凄まじく高い知能であるために、普通の知能との隔たりがかなり大きいものであ…

枝葉

桜の木の麓で、そっと人を待っていた。その人は終に来なかったのだが、始めには来ていた。だから、僕はそのことについてずっと考えているのだ。今日も明日も、明後日も。 さて、何から話そう。ありきたりな文章やその構成。そこから自動的に展開される演繹的…

アイオーン

遥か昔、ヒト、と呼ばれる生物がいた。それは、人間、人、などとも表記されることがある。 人は当初、神々の道具として作られた。それと言うのも、彼らの労働を肩代わりする役目を負っていた。 人が地上の理によって重要視する、諸所の事例は、神にとって重…

メープルシロップ

謎の深い現象を考察する事。そこにはどのような意味があるだろうか? そこに意味などと言うものは、そもそも根付いていると言えるのだろうか? 楓にはまずもってそれが分からなかった。そして、そのような事を考え続けていると、この世界のありとあらゆる事…

流れ

夕はノートにたくさんの図形を描いて遊んでいる。その図形は、魔法の発現のために使われる。彼女は人の体に宿る記憶の流動的な性質に焦点を当てて思考している。大体、いつもそんな感じで、そうした思考に認知のリソースを取られているがために、彼女は周囲…

フォルセティ

光がない場所で、光を拝むことはできるであろうか。 輝くことのない場所で、輝くことはできるであろうか。 言葉がない場所で、言葉を発することはできるであろうか。 風がない場所で、風を起こすことはできるであろうか。 理神論の通底とは、そのようなもの…

佐奈と小夜

佐奈は小夜と仲良しである。とてもとても仲良しだ。これ以上ないくらいに。 佐奈は小夜とたびたびセックスした。秘密のセックスだ。何せ、佐奈も小夜もどちらも性を拒絶していたので、通常の性的な規範からは明らかに逸脱していたし、そうした<異常性>とい…

ノアの手紙――羽化篇

雪の山に囲まれた場所。さらさらと流れる、風。キラキラと光る、平原。平原はもちろん、雪で覆われている。真っ白! ノアは雪の上を歩く。ズポズポと音がする。雪に足が嵌っていく。まるで作曲しているときの気分。ルンルンとメロディーに音が嵌っていく。そ…

個人

人はどこかに向かっているのだろうか? だとすれば、それはどこに? そのようにいくら自問してみても、答えが出ることはない。それは一つの世の摂理だった。答えはない、という摂理。 では、世界の持つ諸所の仮定を考慮してみればどうだろうか? うーん……。…

誤読

読書って、難しいですよね。ふと僕はそう思いました。 果して読書に正解というものが存在するのか否か…… うむ。難しい。これは僕の手に余る問題だ。 これはとても難しい問題です。 Este é um problema muito difícil. ポルトガル語って、字面で何となく意味…

The reflecting tier who is creating the euphonious future

この世界には何もないと私は思った。まったくネガティブな意味ではなく、単に「無」なのだ。 しかしこの世界には何かがあった。 それが何なのかは今一つ私にもわからなかった。 私の友人のツクツクボウシが言った。 「君は何かにつけて考えすぎる。そういう…

信じること

「この荷物重い」 と私は一人こぼした。 ――やれやれ、荷物と言うものはどうしてこうも重いのか。マジで困った。 「その荷物には何が入っているの?」 と相棒のピエが言った。 ピエは猫だった。黒猫だ。 ピエは随分と絵が上手かった。 あまりにも綺麗な猫だっ…

気になっていた女の子

ずっと桜の花びらが散っているのを見ていると、自分の心まで散っていくような気がします。どうして、このような感覚になるのでしょうね。不思議です。さて、今日は何のお話をしようか決めていないのですが、散漫に散文を書いていこうかと思います。散漫術で…

ノアの手紙――蛹篇

「とりあえず、この三人を殺してくれればいい」 そう言って、男は三枚の写真とその人たちに関する資料をテーブルに広げた。 ノアは、それらの資料をひと通り見て、記憶すると、その場を去った。 ノアはバッグの中から、ナイフを取り出してみた。 月明かりに…

泣きたくなる話

真面目が良いことなのか悪いことなのかは、正直私にはわからない。 言えることと言えば、月並みなもので、真面目すぎるのも危ないし、不真面目すぎるのも危ないのではないか、という無難な提言でしかない。 それが、私の限界だった。私にはそもそも大したこ…

No differences

レフの視点 軍用の輸送機に乗って、レフはアメリカに向かっていた。その間、本を「構造化」して……要は読書をしていた。 レフは魔術師だった。この世界の魔術師は、マテリアルなものすべてを情報化し、エネルギー化することができる。その情報化、エネルギー…

いつもどおり

何をどうするべきなのかはいつも見えなかったが、とりあえずチョコレートを食べていると安心した。 一体、チョコレートを食べているとどうして安心するのかについて、考えてみた。でも、答えは出そうもない。 とにかく、チョコレートを食べていると僕は安心…

僕の好きなお菓子

僕、洋菓子も好きなのですが、和菓子も結構好きなんですよね。でも、若いころ? は、あんまり和菓子食べれなかったです。徐々に和菓子も食べれるようになってきましたね。慣れが物を言うようです。 そう言えば、昔とか、珈琲もうまく飲めなかったですね。あ…

大丈夫

「あなたのことがすごく嫌い」 とユリは言った。 ウサギは、その言葉にショックを受けた。 ユリとウサギは友だち同士だった。 親友と言ってもいい、かもしれない。 まさか、ユリがウサギのことをそんなふうに思っているだなんてウサギには思いもよらないこと…

またね♪

僕:「急にお別れとはなかなか骨が折れますね」 エナ:「でも、占いがあんまりよくなくて」 僕:「じゃあ、しょうがないですかね」 エナ:「なかなか世知辛い世の中だからね」 僕:「僕たちは一体、どのように生きていくべきなんですか?」 エナ:「それぞれ…

「はあ」 と霞は言った。 「どうしたの?」 と僕は聞いてみた。 「昨日、ずっと、友だちの相談のってて。それで寝てなくて……眠い……」 「じゃあ、寝たら?」 「嫌だ」 「そう」 霞は欠伸をした。 僕は窓の外を見てみた。雨が降っていて、雲間から、夕日が見え…

それにしても、何事だろう? と思って、窓をみると、桜が散っていた。 ――おやおや桜が散っている。 と、ひとしきり感慨深い気持で見ていると、今度は、星の欠片が落ちて来た。 庭には、大きな穴が開いた。 そして、星の欠片は言った。 「ハロー♪」 僕は、 ――…

わたしとエナが出会ったのは、ある戦場だった。 エナは血にまみれていた。しかし、基本的に、どこにいても光っていた。 わたしとエナは敵同士だった。 エナは言った。 「世界は経済機構により統制される」 わたしは言った。 「世界は自由意志により統制され…

死ね

僕が図書館で本を読んでいると、優奈さんがやって来た。 「何しているの?」 と彼女は言った。 「ここは図書館なんだから、本読んでるに決まってるんじゃん」 と僕は言った。 図書館の中で会話していては、周囲の人に迷惑なので、一度、本を返し、優奈さんと…

幸せ

全部、私が悪いのだということはわかっていた。 全ては、私の能力不足が招いた事態だった。 一体、私はどうするべきだったのかと考えてみた。 いくら考えても答えは出なかった。答えってどこにあるんだろう? 周囲にはたくさんの人々の亡骸があった。 ――私が…

世界

「大丈夫だとも」 と彼は言った。 私は、彼がそう言うのなら、まあ、大丈夫なのだろうと思った。 ――でも、何が大丈夫なのだろう? しかし、それをそのまま口から出して尋ねるのはなぜか気が引けた。聞いてはいけないことのような気がした。 だけど、私が何か…